筋トレのオーバーワークには注意しよう
筋トレをしている人間なら誰しもが知っているであろう「超回復」。
トレーニング後、およそ48時間〜72時間が経過することで、筋肉が回復し大きく成長する、という理論だ。
しかしこの超回復。
その意味するところは、筋肉のなかの筋グリコーゲンというエネルギーが満タンになるということだ。
グリコーゲンというのは、カラダに貯蓄できるエネルギーのことで、蓄えられる場所は肝臓と筋肉。肝臓に蓄えられるのが肝クリコーゲン、筋肉に蓄えられるのが筋グリコーゲンだ。
この筋肉に蓄えられるほうの筋グリコーゲンが満タンになれば、最大限のエネルギーを発揮できるため、筋トレで限界まで追い込むことができ、ひいてはバルクアップにつなげることができる。
じゃあ、48時間〜72時間のインターバルを置けば、ガンガン筋トレしてもいいのか?
それがそうでもないから注意したい。
この間隔でいくと、同じ部位を週2回トレーニングできる計算になるが、これでは多すぎる。
では、なぜ週2回のトレーニングがいけないのか?
まずは怪我をしやすくなる。
超回復理論により、エネルギー的には十分回復するわけだが、48時間〜72時間では、関節や靭帯といった部分がまだ回復しきっていない。関節や靭帯の疲労を取るには、およそ1週間はかかる。
きちんと回復しきっていない段階で、またトレーニングをすると、当然オーバーワークとなり、怪我につながる。初心者だろうが中級者だろうが、レベルに関わらず、これは同じだ。
そして、部位を分けて筋トレしている人も多いと思うが、部位を分けていたとしても、対象の筋肉だけを使っているわけではないので、単純に筋トレした回数だけの負担にはとどまらない、ということだ。
とくに腕や肩は、上半身の筋トレであれは、どの部位を鍛えるにも必ず使うため、思っている以上に負担がかかっている。ということは、なかなか回復できていない状態で使っていることが多い。
ベンチプレスやダンベルプレスで大胸筋を鍛えるときや、ベントオーバーローイングやラットプルダウンなんかで広背筋を鍛えるときにも、少なからず腕や肩の筋肉は使っている。
たとえば、大胸筋を週2回、上腕二頭筋を鍛えるダンベルカールを週2回なんかやったとしたら、腕や肘の関節には週4回に相当する負荷がかかっていることになる。これでは、確実にオーバーワークだ。故障にもつながるし、筋肉の発達を妨げることは間違いない。
こうしたことから、同じ部位のトレーニングは週1回が推奨されている。
筋トレ初心者であれば、まずは大胸筋だけを鍛えても十分効果が出るので、大胸筋を週1回トレーニングする、というイメージだ。広背筋だけでもいいし、上腕二頭筋だけでもいいが。
僕は、最近は部位を分けてやっている。
大胸筋を週1回。
広背筋を週1回。
トータルで週2回のトレーニングだ。
これでもわりと肩や肘関節の回復が追いついていないな、と感じることもある。
さらに体幹が安定し、対象の筋肉以外を極力使わないようなスキルがもっと上がれば、そういったことも少なくなってくるだろう。
筋トレ初心者は、週3回はやったほうがいいとか、毎日やったほうかいいとか、少ないよりも多くやったほうがいいと勘違いしやすいので注意しよう。
オーバーワークはなにもメリットがないどころか、筋トレの効果が得られなくなるので、モチベーションが低下し、しまいにはやる気がなくなり、筋トレをやめてしまう原因にもなるので、まずは正しい知識を持っておく必要がある。