筋トレ前のストレッチは危険?
ジムに行って、さて筋トレをはじめるか、となったとき、まずなにをします?
「それは、まずストレッチさ!」という人、けっこう多いと思う。
僕も筋トレをはじめた当初はそうだった。
でも、じつはこれ、間違っている。
とくに筋トレ初心者は間違いやすい点なので注意したい。
正確に言うと、筋トレをする前に、静的なストレッチ(スタティック・ストレッチ)をすることは間違っている。
静的ストレッチって?
静的ストレッチとは、ストレッチと言われてパッとみんながイメージするような、ゆっくりと筋肉を伸ばして数十秒のあいだ静止するストレッチだ。
こういうやつ。
こういった静的なストレッチは、一見、筋トレの前や、運動の前にすると、筋肉が柔らかくなって、ウォーミングアップとして効果的のように思われているが、じつはこれが効果がないどころか、むしろ逆にマイナスの影響を及ぼす。
なにがいけないのか?
いちばんは、静的ストレッチによる神経系への影響だ。筋肉を伸ばした後に筋トレをおこなうと、神経が誤作動を起こしやすくなる。そうすると、パワー伝達に障害をきたしたり、場合によっては、筋断裂を起こすというリスクがある。
ケガ予防どころか、重大なケガにつながる恐れさえある。バルクアップを目指すには、限界への追い込みが大事なので、なおさらだ。
さらに、パフォーマンスも一定時間低下する。静的ストレッチをしたことにより、筋力の低下など、パフォーマンスが下がるため、限界まで追い込むトレーニングができなくなる。これでは、せっかくの筋トレも台無しだ。
じゃあ、静的なストレッチはいつすればいいのか?
それは、筋トレ後だ。
激しいワークアウトで追い込んだ筋肉を、ゆっくりと伸ばすことで、リラックスし、疲労回復につながる。蓄積した疲労物質の排出を促してくれる。
もし、筋トレ前にストレッチをするとしたら、それは動的ストレッチ(ダイナミック・ストレッチ)だ。
これは、体全体を大きくリズミカルに動かしながらおこなうスタイルのストレッチだ。
こういうやつ。
日本代表のサッカー選手の練習風景とかでよく見るようなやつだ。グラウンドを広く使って、みんなでまとまって同じ動きをしながらやっているような。
これは、筋肉を温めてくれる効果があるため、ウォームアップとしては正しい。スピードやパワー・瞬発力などのパフォーマンスアップ効果もある。もちろんケガの予防にも。
静的ストレッチのように、伸ばすだけではないところがポイントだ。
筋肉を温め、心拍数を上げることが、筋トレや運動前には大事だからだ。ラジオ体操も、この動的ストレッチの一種だったりする。
ただ、ジムの場合だと、こうした動的ストレッチをするようなスペースがなかったりするので、、トレッドミルを使って、軽いランニングやウォーキングを5分ぐらいするのでも代用可能だ。
でもやりすぎには注意しよう。5分ぐらいで十分だ。あくまで準備運動なのだから。
筋トレ前のウォームアップ → 動的ストレッチ(ダイナミック・ストレッチ)
筋トレ後のクールダウン → 静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)
筋トレ初心者は、このストレッチのタイミングを覚えておこう。
あまり知識のないスポーツジムのスタッフやトレーナーなんかは、あたかもそれが正しいかのように、筋トレ前の静的ストレッチを勧めていたりするが、そんなものは一切ガン無視しよう。