筋トレ初心者が大胸筋を追い込むためのトレーニングメニュー
オトコの筋肉でいちばん目立つところ、魅力的に映る部位といえば、やはり大胸筋だろう。
男らしく逞しい厚い胸板だ。
筋トレ初心者はまずこの部位を鍛えることをオススメする。
見た目の変化が大きい上半身のなかでも、筋肥大の効果が如実に現れる部位なので、やったらやっただけの実感を早く得られるだろう。
筋トレを始めても、なかなかその効果を実感できないと、モチベーションも下がりがちだ。とくに初動の時点でつまづくと、「キツイからもうイイや、や〜めた」となってしまう。そういったことを防ぐためにも、大胸筋から鍛え始めることは合理的だ。
で、どういったメニューを組んだらいいのか。
大胸筋は、上部・真ん中から下、谷間の部分、とおおきく分かれるため、それぞれに刺激を入れるためのトレーニングが存在する。
これらすべてを一遍に鍛えることはむずかしいので、まずは初心者でも鍛えやすい「真ん中から下」の部位からはじめるといいだろう。
ところで、ジムに行くと、トレーニングマシンがずらりと並んでいるエリアと、バーベルやダンベルなどの、いわゆるフリーウエイトのトレーニングができるエリアがある。
マシンはマシンなりのメリットがあるが、筋肥大を目指したいなら、フリーウエイトで追い込んだほうが効果が高いだろう。
なぜなら、ウエイトの軌道が定まっているマシンとは違い、フリーウエイトではバランスを保つためにより多くの筋肉を稼働させる必要がある。筋肉の可動域も広く取れるため、より深く広い範囲に刺激を加えらえる。
さらに大事なポイントは、筋肉に対して、高い危険シグナルを与えられることだ。
危険シグナル?
筋肉というのは、外部からの攻撃、命を脅かすような危険に対し、抵抗しようとする働きがある。それらに堪えられるような筋肉がないといけない。
いままでに与えられたことのないような強い負荷が加わると、
筋肉たちは、
「ヤバい!もっと強くならないと、このままでは殺られてしまう!」
と錯覚する。
そうなるとはじめて、超回復により、太くて強い筋肉を獲得していくようになる。
こういったサイクルで筋肉はどんどん成長していくため、安定していてたいした危険性も感じないようなマシンを使うよりは、すこしでも油断すると身に危険が及び、いつでも張りつめた緊張感をもって臨む必要のあるフリーウエイトのほうが、筋肉への危険シグナルを送りやすい。
というわけで、フリーウエイトでの筋肥大を目指したい。
メジャー種目であるバーベルベンチプレスだ。
おもに大胸筋の真ん中から下の部位に効かすことができる。
出所:USS Bataan (LHD 5)_140420-M-HZ646-027 | Flickr - Photo Sharing!
筋トレ初心者であれば、重量は30kgぐらいからはじめるといいだろう(個人により異なるが、ふつうの日本人だとだいたいこのぐらい)。
バーの重さが20kgなので、左右に各5kgのウエイトで30kgだ。
筋肥大を目指すためには、重量を増やしていき、さいごは神経のリミッターを外して限界まで追い込みたいところだ。
神の7秒間というやつだ。
”神の7秒間”適切な追い込み方!正しい3セット法の追い込み方について解説 - YouTube
3セットで限界まで追い込むトレーニング方法だが、2セット目までは筋肉を温めるための準備運動的な感覚で、さいごの3セット目で「神の7秒間」に突入する。
「神の7秒間」とは、簡単に言うと、マックスのパワーを発揮できる最大時間ということだ。限界のパワーを使えるのはたったの7秒しかない。
つぎにその7秒間を使うには、筋肉の回復(48時間〜72時間)を待つしかない。
陸上の短距離種目である100mを例に見るとわかりやすい。
人類最速の男、ウサイン・ボルトの世界記録は9秒58だ。
これこそまさに神の7秒間を使って限界のギリギリまで挑んだ結果だ。
オリンピックなどの決勝で最大のパワーを発揮できるように選手たちは調整している。
(予選〜決勝まで、48時間〜72時間以下のインターバルしかないケースが大半)
つまりそのまえの予選や準決勝では、流しながら余力を残して走っている。そこでこの7秒間を使ってしまうわけにはいかないんだ。なぜなら1回しか使えないから。
もちろん自分の限界の力まで発揮しないと勝てないような選手であれば、予選から全力で走らなければならないが、トップレベルの選手たちは、決勝のわずか10秒に照準をあわせているため、こうした調整が必要になってくる。
筋トレの3セット法も同じ理論だ。
10回 × 3セットであれば、
1セット目 : 20kg × 10回
2セット目 : 25kg × 10回
3セット目 : 30kg × 10回(or 6回〜8回)
さいごの3セット目で限界まで達する。
10回が上がらなければ、6回〜8回で潰れても仕方ないだろう。
この限界の重量をまず設定して、そこからの逆算で1・2セット目の負荷を決めていく。
レベルが上がってくれば、また違ったメニューの組み方があるが、初心者はまずこのようなオーソドックスな3セット法で鍛えはじめるのがいいだろう。
バーベルベンチプレスをするにあたってのフォームなど、とくに注意すべき点については、また別の機会に解説しよう。